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浴槽を、やめました。

2026/9/6(日)

リフォーム後の洗面脱衣所
施工事例 戸建てリフォーム

浴槽を、やめました。

泊まれる家にも、住める家にも。
東京都台東区浅草橋/築古の木造2階建て

実工事日数 15日程度 水まわり・内装 ゲストハウス/シェア/社宅
WHAT YOU’LL LEARN

この事例で分かること

築古の物件をお持ちの方、これから買う方に、そのまま使ってもらえる判断だけを書きました。

01

「新しくする」より先に、「要るかどうか」

使い方が変わっているのに、同じ設備をそのまま入れ替える。これがいちばんもったいないお金の使い方です。この現場では浴槽をやめました。

02

面積は増やせなくても、使える場所は増やせる

棚板が一枚あるだけの階段下に、給排水と電源を引き込みました。デッドスペースに設備を入れられるかどうかの見極め方を書いています。

03

塞ぐ前に、なぜ空いているかを調べる

トイレの壁の穴には、照明が入っていました。順番を間違えると、暗いトイレが完成します。築古でよくある落とし穴です。

ABOUT THE HOUSE

この家のこと

浅草橋の路地に建つ、築古の木造2階建て。宿泊にも、シェアハウスや社宅にも使える状態にするための工事です。

工事前の外観

ご依頼主は、ゲストハウス「Little Japan」を運営する株式会社Little Japan 代表・柚木理雄様。宿泊施設の運営を知り尽くした方からのご依頼でした。

建物としては使える状態でしたが、水まわりが今の使い方に追いついていない。ここをどう組み替えるかが、この工事のすべてでした。

所在地
東京都台東区浅草橋
建物
木造2階建て 戸建て
実工事日数
15日程度
工事区分
解体/設備/電気/大工/内装
ISSUES

着手前の課題

「古いから全部やり替える」ではなく、この家が使われない理由から順に。

  • 浴室が小さめの在来タイル張り。くつろげる浴室ではなく、洗面所もない。シェアハウスや会社の寮として使うにしても、これでは成り立たなかった。
  • 浴室はカーテン一枚で仕切っただけ。キッチンと仕切りなく地続きだった。
  • 洗濯機が浴室入口の向かって左側に置かれていて、DKの面積を大きく占めていた。
  • DKの天井に穴が開いたまま、テープと紙で塞いであった。落下の危険があった。
  • トイレの扉の横に空洞が開いたままで、階段側から中が丸見えだった。塞ぐには照明の移設が必要だった。
BEFORE / AFTER ── 7 FIXES

7つの手当て

同じ場所の、着手前と完了後。それぞれに「なぜそうしたか」を添えています。
バッジは、その工事をご自分でできるかどうかの目安です。

浴室からシャワーブースへのビフォーアフター
FIX 01

浴室 → シャワーブース

湯船に浸からない今の宿泊者の使い方は、柚木様がいちばんご存じでした。だから「小さな浴槽を新しくする」のではなく、浴槽そのものをやめる判断に。天井高をしっかり確保して背の高い海外のゲストにも対応し、洗うスペースを広くとったシャワーブースにしています。乾きやすく、掃除の手間も減りました。

判断のポイント

設備は「新しくする」より先に、要るかどうかを決めてください。使い方が変わっているのに同じものを入れ替えるのが、いちばんもったいないお金の使い方です。浴槽をやめて空いた面積は、天井高と洗い場に回せます。

プロの工事(給排水・防水)
洗面台の新設ビフォーアフター
FIX 02

洗面台のない空間 → 洗面化粧台

この家には、そもそも洗面台がありませんでした。幅610mmの洗面化粧台とミラーキャビネットを新設。壁はグレーのクロスでまとめ、鏡の上には可動式のブラケット照明を。手元が暗くならないように配慮しています。

判断のポイント

洗面台は「幅が足りないから置けない」ではありません。既製品の最小クラス、幅610mmなら、諦めていた場所にも入ります。 ここも左右に隙間が出るので、壁と棚で埋めて納めました。そして測る順番は、幅より先に奥行きです。奥行きが取れないと、どの製品も入りません。

一部DIY可(設置はDIY/給排水接続はプロ)
洗面脱衣所のビフォーアフター
FIX 03

洗面脱衣所 → 建具で仕切る

カーテン一枚だった浴室の入口に、チェッカーガラス入りの木製建具を新設。キッチンと地続きだった空間を、独立した洗面脱衣所として切り分けました。建具を入れるために既存の壁を一部壊しているので、その跡は大工が造作して納めています。光は通しつつ視線は切れるので、廊下から見たときの印象まで変わります。

判断のポイント

仕切るのは「壁」だけではありません。ガラス入りの建具なら、光を殺さずに視線だけ切れます。 狭い家ほど、壁で仕切ると奥が暗くなります。仕切りたい理由が「視線」なのか「音」なのか「熱」なのかで、選ぶものが変わります。

一部DIY可(建具の設置はDIY/壁を壊した跡の造作はプロ)
階段下の物入れを洗濯機置き場に変更したビフォーアフター
FIX 04

階段下の物入れ → 洗濯機置き場

棚板が一枚あるだけで、ほとんど使われていなかった階段下。ここを解体して、給水・排水と電源を新しく引き込み、洗濯機を置ける場所に変えました。配管のため床には点検口を設けています。面積を増やさずに、使える場所を増やす工事です。DKを大きく占めていた洗濯機がここへ移ったぶん、DKが広く使えるようになりました。

判断のポイント

面積は増やせなくても、使える場所は増やせます。 デッドスペースに水まわりを持ってこられるかどうかは、既存の配管ルートと排水の勾配で決まります。図面より先に、床下と壁の中を見てください。そして必ず点検口を設けること。入れて終わりにすると、詰まったときに床を壊すことになります。

プロの工事(給排水・電気・大工)
DKの天井のビフォーアフター
FIX 05

DK 天井

天井に穴が開いたまま、テープと紙で応急的に塞がれていました。落下の危険があるため、木材でしっかり塞ぎ直しています。照明はもともとLEDが付いていたので、そのまま活かしています。見た目のためではなく、安全のための工事です。

判断のポイント

「見えなくすればいい」で塞がれた場所は、たいてい直っていません。 テープや紙は応急処置です。落ちてくる前に下地から作り直します。逆に、照明のように問題なく使えているものは、無理に新しくしません。お金は、直さないと危ないところから使います。

一部DIY可(高所作業と下地づくりはプロ推奨)
トイレの扉まわりのビフォーアフター
FIX 06

トイレ 扉まわり

扉の横に空洞が開いたままで、階段側から中が丸見えでした。宿泊にもシェアにも、これでは使えません。ただし、その空洞には照明が付いていました。塞ぐには照明を動かす必要がある——というのが、この小さな工事の本当の中身です。

判断のポイント

塞ぐ前に、なぜ空いているかを調べてください。 配線が通っている、換気の逃げ道になっている、点検のために開けてある——理由があることが多いです。ここでは照明が入っていました。先に塞げば、暗いトイレが完成します。

DIYでもできる(下地の確認は必要)
トイレの照明のビフォーアフター
FIX 07

トイレ 照明

扉横の空洞にあった照明を天井へ移設し、器具も新しくしました。空洞を塞いでも暗くならないように。既存の木製建具と塗り壁はそのまま。手を入れないところを決めるのも、リフォームの設計です。

判断のポイント

照明は「器具」ではなく「位置」で決まります。 同じ明るさでも、壁際から天井の中心へ移すだけで、影の出方と感じる明るさが変わります。
なお、配線を触る工事には電気工事士の資格が必要です。 ここはDIYの範囲外。器具を同じ場所で交換するだけなら、資格なしでできる場合があります。

プロの工事(電気工事士の資格が必要)
SPECIFICATION

工事の内容

やったこと/使ったもの。

浴室在来タイル浴室を解体し、シャワーブースを新設。天井高と洗い場の面積を確保(給排水・電気の付け替えを含む)
洗面幅610mm・2段引き出しの洗面化粧台+ミラーキャビネットを新設/シャワー付き混合水栓/可動ブラケット照明を新設
建具洗面脱衣所の入口にチェッカーガラス入りの木製建具を新設(既存壁の一部解体と、その跡の造作を含む)
内装洗面脱衣所の床=クッションフロア(東リ)/壁=グレー・グレージュのクロス(サンゲツ)。復旧箇所は既存に近い材で納める
洗濯機置き場階段下の物入れを解体し、給排水と電源を新設。床を張り替え、配管のための点検口を設置
安全まわりDKの天井に開いていた開口を木材で塞ぎ、落下を防止/トイレ扉横の空洞を閉塞
電気・空調ルームエアコンを新設(日立 白くまくん)/トイレ照明を天井へ移設し器具を交換/洗濯機用の電源整備
※DKの照明は既存のLEDをそのまま使用しています
実工事日数15日程度
GALLERY

完成後

仕上がりの様子。

新設したシャワーブース
シャワーブース
新設した洗面化粧台
洗面化粧台とミラーキャビネット
洗面化粧台の収納
扉を開けたところ
脱衣室の扉
脱衣室の入口
階段下を改造した洗濯機置き場
洗濯機置き場(元・階段下の物入れ)
新設した洗濯機用水栓
洗濯機用の水栓
DKの天井
DK 天井
床と点検口
床と点検口
トイレの扉まわり
トイレ 扉まわり
トイレ
トイレ
VOICE

担当より

この現場で、いちばん考えたこと。

LJ

ご依頼主:株式会社Little Japan 代表・柚木理雄様 浅草でゲストハウス「Little Japan」を運営される、宿泊施設のエキスパート。今回の判断のいくつかは、柚木様が現場で見てこられた「実際に泊まる人の使い方」から出てきたものです。

いちばん大きな判断は、浴槽をやめたことでした。

湯船に浸からない人が増えている、という感覚は、私たち施工側よりも柚木様のほうがはるかに解像度が高い。だから「小さな浴槽をきれいにする」ではなく、浴槽をなくして、そのぶんを天井の高さと洗い場の広さに振り分けました。海外からのゲストには背の高い方も多いので、頭上の余裕は実際に効きます。くつろぐための浴室ではなく、きちんと機能するシャワーブースへ。

もうひとつ時間をかけたのは、「どこを触らないか」を決めることです。木製の建具や塗り壁、既存の床は、経年した表情ごと残す。DKの照明も、もともとLEDが付いていたのでそのまま使いました。そのかわり、洗面台のなかった水まわりには設備をきちんと入れる。使っていなかった階段下は、洗濯機置き場という役割のある場所に変える。DKを占めていた洗濯機が動いたぶん、部屋そのものが広く使えるようになりました。

そして、危ないところと、恥ずかしいところは確実に直す。天井にテープで塞いであった穴も、階段側からトイレの中が見えてしまう空洞も、そのままでは人が泊まる家・住む家として置いておけません。ここは迷わず手を入れました。

限られた予算を「効くところ」と「直すべきところ」に寄せる。そうすると、建物の古さは「味」の側に回ってくれます。
クラディは、プロの施工とDIYの両方の目線から、この配分をご一緒に考える会社です。

次に、どうしますか?

ご自分でやってみるのも、任せていただくのも、どちらも歓迎です。

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道具の持ち方から、壁の張り方、建具のおさめ方まで。DIY学校と体験講座で、手を動かしながら覚えられます。

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